刀ステ小田原城公演と能について

 
小田原城公演のセット、能の舞台に似てない???とおもったので自分用に調べてまとめただけのものです。(能や舞台について詳しいわけではないので、間違っていることがあればなるべく優しく教えてください。)(非営利です。)
 
Ⅰ*此の夜らステージと能の舞台*
 
小田原駅との位置関係(画像上が北)。赤の囲みが会場。傾きなどは忠実じゃないとおもう。
 

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ざっくりexcelで作った位置関係、たぶんこんな感じ。ステージ裏の西側は城内に続く階段部分。
当日の日中はステージ裏で山犬の毛皮が干されていた…
 

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(右が北、客席は西向き)
 
〔比較〕能の舞台
 
舞台平面図と各部名称

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橋掛りにあたる部分がかなり大きな共通点のような気がする。
公益社団法人能楽協会さまの能楽入門冊子「学んでみよう能・狂言」の能舞台より、
橋掛り」とは、「演者が出入りする通路であるとともに、舞台の延長としての重要な演技空間」のこと。今回の公演でも橋掛りにあたる部分では、救援部隊(山伏など)が憑依された顕長様と戦う際に遠征組(山姥切・長谷部・小夜)が本舞台からそちらに避けて蹲っていたり(本来3振が蹲っていた場所は移動していないはず+位置関係としてもありえない移動だけれど、本舞台を救援部隊に譲るために橋掛りが巧みに利用されている)、最後に救援部隊の6振が捌けていったのも橋掛りからだったようにおもう。
 
というより、こちらのサイトさまの小田原城薪能の舞台のお写真と今回のステージあまりにも似すぎています。(薪能のステージを今回もそのまま使っていたのかもしれない???)(小田原城薪能についてはⅡで詳しく)
 
同冊子より、
現在のような室内の能舞台が確立したのは明治以降のことで、それ以前は屋外に舞台を作っており、どこでも上演可能なものだった。⇒薪能、奉納能など
 
Ⅱ*小田原城薪能の関係*
 
小田原城では例年10月頃に「小田原城薪能」を開催していたみたいですが、2010年に予算の都合などで中止になってしまったようです。
2016年には「カナガワ リ・古典プロジェクト2016 小田原」によって薪能が復活したそうですが、残念ながら2017年に薪能が行われた記事は見つけられませんでした…。
でも、2.5次元舞台という形であっても、2017年も小田原城の前で能を舞うことができたのだ、と考えると、それはとても尊いことのようにおもいます。また、新・小田原城来場者数100万人達成というほんとうに記念すべき時の公演を観られたこともとてもうれしくおもいます。
 
薪能とは・・・主として夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽。(Wikipediaより)
 
今作、『此の夜らの小田原』のキービジュアルの炎はこのかがり火を表しているのではないでしょうか。実際も、上の説明の本舞台に当たる舞台の左右には炎が疑似的に作り出されていました。こちらの記事で確認できるかとおもいます。(めらめらしてるやつです)
 
※「リ・古典プロジェクト」さまのサイトによると、「宝生流」という能の一派は北条氏と深い関わりがあったそうです。現在、天守閣で開催されている「小田原城天守閣特別展『小田原北条氏の絆~小田原城とその支城~』」にも能面の展示がありました。詳しい内容はウッ記憶が、、詳しくはこちらより、特別展は12月24日までです。
 
Ⅲ*外伝と刀剣男士と能の関係性*
 
・「能」とは・・・能楽のうち超自然的なものを題材とした歌舞劇のことで比較的高尚なものである(Wikipediaより)
 
つまり、能は鬼や怨霊といった人ならざるものが題材となる劇ということ(???)
 
→①長谷部の「山姥だ、本当にそんな化け物がいると思うか」という問いに対する小夜の「ぼくたちは刀の化け物です」「長谷部さんは化け物です」(正確には覚えてない…)というセリフは、額面通りの意味と(会場でも笑いがおこっていた)、超自然的なものである刀剣男士を主人公としたこの劇が実は能を模していると暗示したものなのかな(とわたしは解釈している)(たぶん)
 
→②初見の際、今回の公演が北条氏直様の舞から始まっているのは顕長様が憑依されることへの伏線的表現かとおもっていたけど、「小田原城」という地で能を舞うこと自体に意味があったんじゃないかって今はおもっています。
 
→③今作における、藤原在吉を山姥切国広(一行)が助けるという構図は、世阿弥作の謡曲『山姥』(都の曲舞の名手の遊女が山で迷い、山姥に助けられ、山姥は境涯を語り山巡りの舞を見せ消える)(Wikipediaより)の筋書に似ているようにもおもう。
 
刀剣乱舞能楽についてまとめていらっしゃるアカウント「能楽×刀剣乱舞~のうけんらんぶ~」さま(@nohkenlove)(アカウント名をクリックしていただくとホームに飛べるはずです…!)でも、今回の公演と能が関係あるのではないかという話題があったような気がします…(記憶違いだったらすみません)
 
Ⅳ*最後に*
 
秀吉公が一代でのし上がるような時代に五代百年も続いた小田原北条氏が治めた土地、そして秀吉公による天下統一という側面から見るとまさに戦国時代最後の戦いとも言える小田原征伐、それほどの歴史的な場所に居るのだとおもうと、公演中なんども体が震えました。(決して雨に打たれていたからではない)(さらに正確には小田原城の位置も当時とは変わっている)
それでも、小田原はとても空が高くて、よいところでした。また行きたいな。
 
実際は今作が全く能と関係がなかったとしても、様々な想像を掻き立てられる刀ステがこれからもたのしみです。
 
自分のためのメモを加筆しただけのものを、ここまで読んでくださりありがとうございました。話し半分に読んでください。笑
 
需要がある気がしないけれど、もったいない気もするのでわたしが天守閣から撮影した会場の俯瞰写真を貼っておきます。(肝心のステージは写ってないww)(写真下手すぎる)

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おしまい。
 
 
※小田原北条氏、あるいは能にあかるい方、あまりにも間違った情報に気づかれた場合、そうでなくても小田原の様々な情報を教えてくださるとわたしがうれしいです。
 
*参考サイト一覧*
・舞台『刀剣乱舞』公式HPさま
小田原城公式HPさま
独立行政法人日本芸術文化振興会 文化デジタルライブラリー
公益社団法人能楽協会 能楽入門冊子「学んでみよう能・狂言」の能舞台
能楽師 柴田稔さまのブログより
Wikipediaさま
・ブログ「風なうらみそ~小田原北条見聞録」さまより『小田原城薪能」が中止に』
・「カナガワ リ・古典プロジェクト2016 小田原」
・神奈川県公式HPさまより「北条氏と交流のあった「宝生流」が500年の時を超え、新・小田原城で再び舞う カナガワ リ・古典プロジェクト2016 小田原」
・カナコロ「『小田原城薪能』中止へ、客数減や事業仕分け受け/小田原」
・マグカル「新・小田原城薪能の火をもう一度 「カナガワ リ・古典2016 in 小田原」、9月19日(祝)開催」
・ステージナタリー『「刀ステ」一夜限りの小田原城公演が閉幕、荒牧慶彦「いわば『ジョ伝』の助走」』
・the能.comさま 能面事典より「山姥」
(山姥の能面めっちゃこわい…("^ω^))